◆塗装
基本的にはクレオス&ガイアノーツを使用。例外的にモデラーズカラー原色。
白状しますと~実はグロス・研ぎ出しは全くの初挑戦(!)。かなり気を使いました。
【白】青緑ベースから白立ち上げ。白は通常のホワイト、後スーパーホワイトでハイライト。
→ウェーブのパールパウダー&偏光パール(マニキュア)でコート
→(デカール後)スーパークリアーⅡ・研ぎ出し。
下地に青緑を使ったのは、白磁の影色をイメージしたためです。秘色(ひそく)というそうです。

この通り、光源の量・質・方向などの違いで同じアングルでもここまで印象が変わります。
左は「影に青緑みがかった白」が顕著。右は「偏光層(パープル)」がほのかに判りますね。
【紫・ピンク・青】それぞれ暗めのベース色から白立ち上げ→モデラーズカラー原色(紫・赤・青)を用いた着色パール法→スーパークリアーⅡ・研ぎ出し。
青パーツはほんの少~し紫を上がけしてやると白に映える色合いになります。
【赤】ファントムグレーから白立ち上げ→モデラーズカラー赤。ツヤ消し。
【グレー】ファントム・ニュートラル・EXダークシー・ガルの4種類。
細部塗り分け。箇所によりパール&蛍光ブルーでコート後、ツヤ消し。
サーベルはガイアの蛍光ブルー~ピュアホワイトのグラデ。ツヤ消し。
スミ入れは青紫系で。フレームには箇所によりブルーグレーやチタンシルバーを使用。

よく見ていただくと判るかと思いますが、太もも&スネは合わせ目消してません(もとより接着すらしてない)
デカールは主にウイングka用。雰囲気がドンピシャでした。
光沢パーツは最後にモデリングワックス&ポリマーコート。
◆ヒザ立ち



「表面ディテールに特化」と見せかけて→実は結構動けるのですキュベ。ヒザ先端を頑丈に作るのがポイント。なんだかとってもエロチック。
非常に“舞い降りた”感が出て好きです、アーガマ着艦はコレでキメて欲しかったなぁ~(妄想)。
本体製作記は以上です。
◆これからキュベ作る人へ
キット自体は今なおMG中で白眉の出来。
ただABSパーツが無いため非常に関節軸が折れやすいです。真鍮線などで補強をオススメします(A23・E8は必須)。ヒジもすぐヘタるので市販のBJなどに替えた方が得策。
あ、完成後、左右だけでなく前後にも想像以上に場所を食いますよw。
◆展示
こちら、百鬼2nd用に用意した展示台。

最初は飛行ポーズで展示を計画してたのですが→諸事情によりオーソドックスな立ち姿用に。
本体同様、アール・ヌーヴォーとファンネルの軌跡をイメージした意匠で。色は本体が映えるようにキツめに、パールを厚く吹いて螺鈿っぽさを目指しました。素材は室内リフォームで使われる、表面にプラ板を貼ったスタイロフォームです。
上に同サイズのアクリル板を乗せて。実は塗装面を本体同様に研ぎ出す予定だったんですが、クリア層の乾燥が間に合わない&足裏の金属パーツでキズがいくので前日に急遽調達。
百鬼終わり次第捨てよっかと思ってたんですが、もはやそうもいかんですね。
会場ではこういうフォーメーションで飾りました・百鬼会場にて(撮影:RUN氏。写真ご提供感謝!!)

私に用意して頂いてた展示場所が「蛍光灯の真下にして・天然光もまっすぐ差し込む」という絶好のポジション。
結果→ご覧の通り、我が目を疑う輝きっぷり!息を呑む艶かしさ。「…オマエ、こんなに綺麗だったっけ?」(笑)
私はいろんな意味で運がよかったと今でも思っています。
◆いま思うこと
試行錯誤の末ある程度自分の思う通りにスジ彫りが出来るようになり、その上で辿り着いた
“スジ彫りが機体の個性を主張したってイイだろ”という思い。
自分にとってひとつのブレイクスルーになった作品と言えます。
間違いなく「自分の作品だ」と胸の張れるものは出来ました。
が、(正直なところ)これが「あの百鬼の優勝作品に値するか」と言われると未だピンときてないのが実情です。冗談抜きで当日まで「ホントにこんなん持ってってイイのかな」と不安でしたし。
あそこまで評価いただくのならもっと“やりたい放題”やってもよかったかなと思ったりもしましたが、「あくまでパネルラインである事を忘れるな」とデザイン的にはかなり抑制してスジ彫りを施したのが幸いして“独り善がりの暴走”にならず・新鮮でいて共感を頂けるものになったのかもしれません。
ここの力加減ってホント、微妙ですよね…「これで終わりにするか、続けるか!ZIGGY!!」
ともかく会場にてキュベレイを誉めて下さった&投票頂いた皆さん、そして現場には来られなかったけれどキュベを愛して下さってる多くの方々、改めて本当にありがとうございました!



*最後に展示時の作品名、『ミュシャ・スタイル』について。
ミュシャというのは19世紀末~20世紀初頭にかけ、主にパリで舞台ポスター制作などに活躍した画家、アルフォンス・ミュシャのことです。
アール・ヌーヴォーの第一人者でもあり・日本でもとても人気があります。
ただ、『ミュシャ・スタイル』とは直接彼の絵のみを指す用語ではなく、彼が確立した装飾芸術の1様式。
曲線主体の同じモチーフが一定の間隔・リズムをもって繰り返すものをいいます(例:廊下の壁紙。繰り返しのモチーフなので貼りあわせ続ければ永遠にその柄がずーっと続く)。
右肩バインダー、ピンク長丸周辺のスジ彫りなどにその特徴が見られた為、この名を借りました。
アール・ヌーヴォー様式は「工業製品に美しい“線”を描かせる」ものが多く、スジ彫りデザインを考える際にたいへん参考になります。
この辺りはまたブログ記事で触れましょう。

長文お付き合い頂きありがとうございました。
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